特別受益とは

特別受益とは、共同相続人の中で、被相続人から生前贈与や遺贈によって特別な利益を受けた人がいる場合に、相続分の計算で考慮する制度です。相続人間の公平を図るための仕組みです。

特別受益に該当するもの

遺贈

遺言によって財産を受け取った場合は、すべて特別受益に該当します。

生前贈与

すべての生前贈与が該当するわけではなく、以下のような特別な贈与が対象です。

  • 婚姻・養子縁組のための贈与(結納金、持参金など)
  • 生計の資本としての贈与(住宅購入資金、事業資金、高額な学費など)

通常の生活費の援助や少額の贈り物は、一般的に特別受益には当たりません。

特別受益の持戻し計算

計算の仕組み

特別受益がある場合、相続財産に特別受益の額を加算(持戻し)して「みなし相続財産」を算出し、そこから各相続人の相続分を計算します。

計算例:

相続財産3,000万円、相続人は子A・子Bの2人。子Aが生前に住宅資金1,000万円の贈与を受けていた場合:

  • みなし相続財産:3,000万円 + 1,000万円 = 4,000万円
  • 子Aの相続分:4,000万円 × 1/2 − 1,000万円 = 1,000万円
  • 子Bの相続分:4,000万円 × 1/2 = 2,000万円

持戻し免除の意思表示

被相続人は、特別受益の持戻しを免除する意思表示をすることができます。遺言書に「持戻しを免除する」と記載するのが一般的です。

婚姻20年以上の配偶者への居住用不動産の贈与

2019年7月の民法改正により、婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産(またはその購入資金)を贈与・遺贈した場合は、持戻し免除の意思表示があったものと推定されます。配偶者の生活保障を手厚くする改正です。

特別受益と寄与分の関係

特別受益は「もらいすぎた人の調整」、寄与分は「貢献した人の上乗せ」です。両方が問題になるケースでは、遺産分割協議が複雑になるため、専門家への相談をおすすめします。

特別受益のご相談は

特別受益が問題となる遺産分割でお困りの方は、伊藤司法書士事務所にご相談ください。無料相談で丁寧にご説明いたします。

相続の基礎知識は「相続とは?基礎知識と手続きの全体像」もご覧ください。