寄与分とは
寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に特別な貢献をした相続人に対して、法定相続分に上乗せして遺産を取得できる制度です。相続人間の公平を図るための仕組みです。
寄与分が認められる要件
寄与分が認められるには、以下の要件を満たす必要があります。
- 相続人であること(相続人以外は原則として寄与分を主張できない)
- 特別の寄与であること(通常の親族間の扶養義務を超える貢献)
- 被相続人の財産の維持・増加に貢献したこと
寄与分の類型
1. 家業従事型
被相続人の事業を無報酬または低い報酬で手伝い、財産の維持・増加に貢献した場合。
2. 金銭出資型
被相続人に対して金銭や財産を提供し、財産の維持・増加に貢献した場合(不動産購入資金の援助など)。
3. 療養看護型
被相続人を長期間にわたり療養看護し、看護費用の支出を免れさせた場合。介護保険の利用では賄えない程度の看護が必要です。
4. 扶養型
被相続人を引き取って扶養し、生活費の支出を免れさせた場合。
5. 財産管理型
被相続人の不動産の管理や修繕を行い、財産の維持に貢献した場合。
寄与分の計算
寄与分がある場合、相続財産から寄与分を差し引いて各相続人の取得額を計算します。
計算例:
相続財産4,000万円、相続人は子A(寄与分800万円)・子Bの2人の場合:
- みなし相続財産:4,000万円 − 800万円 = 3,200万円
- 子Aの取得額:3,200万円 × 1/2 + 800万円 = 2,400万円
- 子Bの取得額:3,200万円 × 1/2 = 1,600万円
特別寄与料(2019年法改正)
2019年7月の民法改正で、相続人以外の親族(例:長男の妻)が被相続人の療養看護などで特別の貢献をした場合、相続人に対して特別寄与料を請求できるようになりました。
請求期限は、相続の開始と相続人を知った時から6か月以内、または相続開始から1年以内です。
寄与分と特別受益の関係
寄与分は「貢献した人の上乗せ」、特別受益は「もらいすぎた人の調整」です。遺産分割協議で両方が問題になることもあります。
寄与分のご相談は
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相続の基礎知識は「相続とは?基礎知識と手続きの全体像」もご覧ください。
